【連ドラ感想文】ボールルームへようこそ

パートナーを尊重しながら踊り一体感が生まれれば、そこに感動が芽生える

個人評価:5/5

 この作品は社交ダンスとい“競技”に日々奮闘する若者たちを描いた物語である。

 社交ダンスというと優雅で綺麗という印象があるが、実際に踊っているダンサーたちは相当大変な状況らしい。

 男女二人のペアで踊るため自分一人がうまく踊れてもしょうがないのだ。いや、自分が上手く踊るにはパートナーの協力が必要だし、パートナーが上手く踊るには自分が協力しなければならない。二人がパートナーに協力し合い、なおかつ自分が踊りたいダンスを主張する必要があるのである。

 パートナーに合わせてばかりじゃつまらない演技になってしまうし、自己主張しすぎてもペアとしての演技が成り立たない。絶妙なバランスを日々練習し模索していくのだ。

 そして印象に残ったのは、「目の前にいるパートナーは他人である」というフレーズである。

 他人なのだからその人を理解したと思ってもそれはあくまでも「理解したつもり」であり、他人の感情や動作は完璧に理解することは不可能なのである。

 このことに気がつき、お互いパートナーを尊重しながら踊り、もし二人に一体感が生まれるダンスが出来れば、そこに感動が芽生えるのである。なぜなら他人と一体感なんて奇跡的なことだから。

 主人公の少年はその一体感を自分が四本足になったようだと表現していた。(パートナーの足も自分の足だと感じている)そんなふうに他人を自分と一部だと感じられるまで息を合わせるのは相当大変な努力が必要だと思うが、そんな一体感を感じながら踊るなんて、やっぱり社交ダンスって素敵だなあと感じた。

 

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2020.6.1鑑賞終了