【読書感想文】若草物語3,4(プラムフィールドの子どもたち/プラムフィールドの青春) 作:オルコット

個人評価:4.5/5

 3巻はジョーが夫とともに作った学校「プラムフィールド」での子供たちとの毎日の物語で、4巻は3巻の10年後の日々が描かれる。

 私はたくさんいる子供たちの中でダンという少年に釘付けだった。

 ダンは15才くらいの時にプラムフィールドにやってくるが、それまで出会った大人たちの悪い影響で、とてつもないワルだった。しかしジョーが母親として暖かく見守り、時には厳しくすることで、ダンの心は少しずつほぐれていく。

 そんなダンは実はすごく正義感に溢れ、必ず弱いものの味方する良いヤツなので、ぜひ幸せになってほしいと私は願っていたが、人生はなかなかうまくいかないのである。

 正当防衛で人を殴って運悪く相手が死に、刑務所に行く羽目になったり、好きになった人がみんなからブロンド姫と呼ばれる金髪の良家のお嬢様で叶わぬ恋だったり。

 そして最後には人を守るために死んでしまうのだ。胸にはブロンド姫からもらった金髪のひと房の髪の毛が入ったペンダントをかけて。くぅ〜。

 ダンの人生はうまくいかないことの連続だけど、母親代わりジョーの存在や、プラムフィールドの仲間たちの存在が、彼の心の支えになっていたのだろう。

 私は今回読んだ若草物語の4冊の中で、ダンの不器用だが熱い人生が一番印象に残っている。

 

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2020.7.6読了

 

【読書感想文】若草物語Ⅰ&Ⅱ 作:オルコット

個人評価:5/5

 若草物語は児童文学の名作として有名だが、調べてみると4巻まである物語のうち、よく読まれているのは1巻のみであるとのことで、今回1~4巻まで読んでみることにした。

 この物語はアメリカ東部に住むメグ、ジョー、ベス、エイミーの仲の良い四姉妹の楽しい日々を描いた作品で、1巻は四姉妹の少女時代、2巻は恋愛と結婚、3巻はジョーが作った少年たちの学校「プラムフィールド」の学園生活、4巻は「プラムフィールド」の少年たちの10年後の生活を描いている。

 1巻は以前アニメで観ていたこともあり、目新しい点はなかったが、家族や姉妹の仲の良さや絆を描いており読んでいてとても幸福感を感じた。

 そして2巻は本当におもしろかった。

 長女メグは結婚し新婚生活を開始するが、家事がうまくいかなかったり、子育てにかかりっきりで夫のことをほったらかしにしてしまうなど、しっかりしているメグだが、かなり結婚生活には苦戦する。

 また次女のジョーは最初結婚せず作家として一人で生きていくと決めていたが、周りが伴侶を得て幸せに暮らし始めると、結婚という形は取らなくてもいいから誰かを愛し、自分も愛されたいと感じるようになる。そして最終的には素晴らしい伴侶を見つける。

 残念ながら三女ベスは1巻でしょう紅熱になってから体が弱くなり、2巻では家族に看取られて亡くなってしまうが、短いながらも周りを幸せにする良い人生だった。

 そして四女のエイミーは最初は家族が安定した生活を送れるようにお金持ちと結婚したいと思っていたが、色々あった後考え方を変え、自分の愛する人と結婚することができた。(私はエイミーのエピソードが一番気に入っている)

 2巻は4人の女性が幸せになる際の選択やロマンスについて描かれており、その内容が適度にロマンチックで適度に現実的なので、多くの女性に好まれる物語であると感じた。3、4巻についてはまた後日感想を書こうと思う。

 

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2020.7.3読了

 

【読書感想文】嵐が丘

個人評価:4.5/5

 私はイギリス文学の背景や世界観が好きなので、前からイギリス文学で有名なこの作品に興味があった。しかし内容がヒースクリフという男の二世代に渡る復讐劇と聞いていたので、暗くて重い話だろうと、読むのに躊躇していた。だが、コロナのためずっと図書館が閉館していて本が読めず、読書欲が高まっている今なら読めるかもと思い、読んでみることにした。

 内容はとにかく悪魔のように復讐に燃えるヒースクリフと二つの家族の話なのだが、私はヘラトンという青年がとにかくかわいそうだった。

 ヘラトンはヒースクリフが最も憎んでいる男の息子だからという理由だけで、教育をまったく受けさせてもらえないという仕打ちを受ける。簡単な読み書きそろばんもできず、他人に対する言葉遣いや態度なども教えてもらえず、1日をきつい肉体労働をして飯を食って寝るだけという生活をさせられる。

 そしてヘラトンは生まれつき頭も良く意欲的で素晴らしい人生を送る素質があるのに、教育を受けていないため、周りからバカにされ続けるのだ。

 暴力など目に見える虐待もひどいが、教育を受けさせないというやる気や素質のある子供の可能性を潰す行為はとても残酷だと思った。幸いラストにはヒースクリフがあっけなく死に、その後ヘラトンは愛する女性を見つけ、一緒に色々と学んでいける展開だったのでホッとした。

 この物語は、途中はヒースクリフがひどすぎて嫌になる場面もあったが、続きが気になりあっという間に読み終えることができた。読後感も意外と悪くなかったし、色々学ぶことも多かったので、たまにはこういう内容も本も読んでみてもいいかと思った。

 

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2020.6.25読了

 

【連ドラ感想文】ReLIFE

個人評価:5/5

 この作品は27歳のフリーターの青年が、ある薬で17歳に若返って1年間高校3年生として暮らし、自分を見つめ直すという「人生のやり直し実験(リライフ)」の物語である。

 この実験のルールは、「リライフの被験者であるということは他人に話してはいけない」、「1年後、リライフ期間中の自分の記憶は残るが、他人の記憶から被験者の記憶はすべて消える」、「1年後、被験者の適正にあった就職先を斡旋してもらえる」というもの。

 実験開始当初、主人公はどうせ誰の記憶にも残らないのだから、無難に高校生活を過ごして1年後どこか適当な就職先を斡旋してもらえればいいやと思っていたが、次第に考えが変わっていく。

 新卒で入社した企業でのトラウマから無気力になってしまっていた主人公が、現役高校生である新しくできた友達の部活や友情、恋愛に対する一生懸命で純粋な感情に良い影響を受け、どんどん本来の人付き合いが好きで面倒見の良い自分を取り戻していくのだ。

 しかし、リライフ期間中にできた友達には、どんなに仲良くなっても1年後には自分のことをすべて忘れられてしまう。そのことを主人公はリライフが充実すればするほど悩むようになる。

 それでも、もし自分のことを友達が何ひとつ覚えていなくても、自分がこの仲間たちと一緒に楽しく充実した毎日を過ごしていたということを覚えていれば、自分がこれから社会人としてまた再スタートする際の“糧”となるということに主人公は気づいた。

 今の気持ちを大事にして前向きに過ごして得たたくさんの経験や思い出は、他人には何の影響もなくても自分には今後を生きるエネルギーになるのだ。

 最後に約束どおり仲間や訳あって自分の記憶の一部も消されてしまうシーンは切なくてとても心が痛んだが、最終的にはハッピーエンドで終わり、この作品は生き方について考えさせてくれるとても良い物語であった。

 

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2020.6.21鑑賞終了

 

【連ドラ感想文】理系が恋に落ちたので証明してみた。

個人評価:4.5/5

 この作品は、大学で日々理系の研究している女子が、同じ研究室の男子に好きであると告白したことをきっかけに、2人が「恋をしている」という状態の定義を見つけるための研究を始める物語である。

 恋をして好きな人に触れると心拍数や体温が上がったり、幸せを感じるホルモンが分泌する。手をつないだりハグしたりとあえてドキドキする状態を作り、心拍数などを計測してまじめに恋愛について研究している姿がとてもおもしろかった。

 でも恋愛は理論だけでは説明できない矛盾や感情的な部分もたくさんあるらしく、定義を見つけるのはかなり難しそうだ。恋愛を楽しみながら、気長に研究を続けてもらいたいものである。

 しかし最終回のムード指数100のシチュエーションでのキスシーンは素敵だったな〜

 

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2020.6.17鑑賞終了

 

【連ドラ感想文】この素晴らしい世界に祝福を!

個人評価:4.5/5

 この作品は、普通に現代の日本で暮らしていたニートの青年が不慮の事故で死んでしまい、なぜかドラゴンクエストのようなゲームの世界に転生することになる物語である。

 仲間を集めてみんなで力を合わせて敵を倒していく日々を描いているのだが、私はRPGのゲームをまったくやったことがないため、色々と勉強になった。

 自分が使えるスキルや魔法を増やし、敵の弱点を見極めて攻撃するなど、ドラクエの世界は結構作戦が必要でとても奥が深いらしい。

 最近私はゲームでは「どうぶつの森シリーズ」を楽しんでいるが、RPGのゲームにもいつか挑戦してみたいかも、、、とも思ったりしている。

 

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2020.6.13鑑賞終了

 

【映画感想文】翔んで埼玉

個人評価:4.5

 私は埼玉県民なので、この作品は面白かった。

 ラジオから流れてくる「埼玉と千葉と東京の戦い(都市伝説)」がこの映画のストーリーなのだが、まずそのラジオ局が埼玉県民がよく聞くFM79.5(ナックファイブ)であるところからして喜びであった。

 そして十万石まんじゅうのCM、山田うどんと埼玉県にわずかにある定番ものをさりげなく映画に登場させていたり、自分が住んでいる所の近くの地名が出てくるのが嬉しかった。しかしそれらは埼玉県民でないと伝わらないが・・・。

 この映画は特徴がないところが特徴の埼玉県を、他県の人にうまく紹介してくれているなあと感じた。ほとんど名所も特産品もないけど、ほどよく何でもあって住みやすいですよ、埼玉は!!

 

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2020.6.6鑑賞終了