【連ドラ感想文】ReLIFE

個人評価:5/5

 この作品は27歳のフリーターの青年が、ある薬で17歳に若返って1年間高校3年生として暮らし、自分を見つめ直すという「人生のやり直し実験(リライフ)」の物語である。

 この実験のルールは、「リライフの被験者であるということは他人に話してはいけない」、「1年後、リライフ期間中の自分の記憶は残るが、他人の記憶から被験者の記憶はすべて消える」、「1年後、被験者の適正にあった就職先を斡旋してもらえる」というもの。

 実験開始当初、主人公はどうせ誰の記憶にも残らないのだから、無難に高校生活を過ごして1年後どこか適当な就職先を斡旋してもらえればいいやと思っていたが、次第に考えが変わっていく。

 新卒で入社した企業でのトラウマから無気力になってしまっていた主人公が、現役高校生である新しくできた友達の部活や友情、恋愛に対する一生懸命で純粋な感情に良い影響を受け、どんどん本来の人付き合いが好きで面倒見の良い自分を取り戻していくのだ。

 しかし、リライフ期間中にできた友達には、どんなに仲良くなっても1年後には自分のことをすべて忘れられてしまう。そのことを主人公はリライフが充実すればするほど悩むようになる。

 それでも、もし自分のことを友達が何ひとつ覚えていなくても、自分がこの仲間たちと一緒に楽しく充実した毎日を過ごしていたということを覚えていれば、自分がこれから社会人としてまた再スタートする際の“糧”となるということに主人公は気づいた。

 今の気持ちを大事にして前向きに過ごして得たたくさんの経験や思い出は、他人には何の影響もなくても自分には今後を生きるエネルギーになるのだ。

 最後に約束どおり仲間や訳あって自分の記憶の一部も消されてしまうシーンは切なくてとても心が痛んだが、最終的にはハッピーエンドで終わり、この作品は生き方について考えさせてくれるとても良い物語であった。

 

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2020.6.21鑑賞終了