【読書感想文:ネタバレあり】高慢と偏見  作:オースティン

“ワタセケ”の六女の長子(ながこ)と姑の本間のお母さんのバトルが名場面!
個人評価:4/5


 最近読んでいる本で面白いと思う作品がイギリス文学に多いので、イギリス文学の名作と言われる本作を読んでみた。この本の世間の前評判はテレビドラマの「渡る世間は鬼ばかり」のイギリス版とのことだったが、私の読後の感想も、「うん、ホントに“ワタセケ”そのものだな。」だった。

 19世紀初めのイギリスの階級社会が舞台で、小さな村の地主の娘エリザベスと広大な敷地を持つ大地主のダーシーとの恋愛がベースのストーリーなのだが、そこにお互いの家族、親族や近所の人がからんできてワイワイガヤガヤ騒動がおこるのである。

 終盤にダーシーの叔母さんが二人の交際を家柄の違いなどを指摘して猛反対する場面があり、“ワタセケ”の六女の長子(ながこ)と姑の本間のお母さんのバトルと関係性が完全に一致していて、読んでいてそのシーンが一番おもしろかった。(私は“ワタセケ”の中で一番本間のお母さんのキャラがお気に入りなのである。)

 またこの作品では、この時代の恋愛や結婚の難しさを知ることができた。各屋敷で行われる舞踏会が基本的に男女の出会いの場なのだが、そこで良いなと思う相手がいてお互い好意を持っても、家柄が違うと周りがその交際を阻止してくるし、デートも密かにしたくても男女が二人きりで会うことが許されず、周りが騒いでくるのだ。

 読んでいてこの時代の人が本当に愛する人と結婚することは相当難しかったのだろうと思い、今の時代は自由で良かった~とつくづく思った。

 

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2019.11.8読了