【読書感想文:ネタバレあり】クリスマス・キャロル  作:ディケンズ

「メリークリスマス!」の一声で、その1年が幸せになる。
個人評価:4/5


 この話はお金もうけのことばかり考えて、ケチでみんなに嫌われているスクルージさんが、ある日クリスマスの精霊に自分や自分に関する人たちの過去、現在、未来のクリスマスを見せられて、今の自分の生活態度を改める話だった。

 ストーリの中に様々な境遇の人のクリスマスが登場するが、その中で印象に残っているクリスマスのひとつが、貧乏だが家族で精一杯楽しむクリスマスだ。その家族の日頃の生活は困窮しているが、クリスマスはかけがえのないものでこの日を楽しみにがんばって生きている。日本の現在のクリスマスは恋人たちと贅沢に過ごしたり、友達と派手に騒ぐ日という印象があるが、本来は大事な家族と過ごす大切な一日だったのだと再認識した。

 もう一つ印象的だったクリスマスは、スクルージさんの甥っ子の話だ。甥っ子は良かれと思って毎年クリスマスパーティースクルージさんを誘うが、それをスクルージさんはめんどくさいと思っていつも追い払っていた。しかし精霊に実際の甥っ子のクリスマスパーティーの様子を見せてもらったところ、とても楽しくみんなでゲームやおしゃべりをしていて、せっかく誘ってもらったのになんで断ってしまったのだろうとスクルージさんは強く後悔するのだった。

 私も人見知りで、知っている人が少ないイベントなどに誘われた際に勇気がなく断ってしまうこともある。しかし誘ってくれることに感謝して参加したほうが、新しい出会いに恵まれたり、思いがけず有意義な時間が過ごせるのだと学んだ。

 そしてこの物語を読んで、どんなにお金がなかったり寂しかったりする日々を過ごしていても「メリークリスマス!」と誰かとひと声かけ合えれば、その1年が幸せだったように思えるのだと学んだ。結局幸せって自分以外の人とのあたたかい交流で感じるものなのだろう。ぜひ今年のクリスマスは「メリークリスマス!」と声をかけ合いましょう!!

 

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2019.10.11読了