【読書感想文:ネタバレあり】雨上がりの川 作:森沢 明夫
騙すならもっと悪い顔全開でやってほしい!!
個人評価:4/5
今までに読んだこの作者の物語は、風景描写がキレイで読後感が爽やかなものが多かったのでそれを期待していたのだが、この作品は少し違った。
いじめを受け不登校になった女子中学生とその家族がすごい霊能者に出会い、しだいに立ち直っていくのだが、その霊能者が実はインチキだったというストーリー。
その霊能者はみんなを騙していたけれど悪意はなく、女子中学生の幸せを本当に願ってアドバイスしていたというのだ。そのため最終的には騙されていた人たちはみんな許してあげてハッピーエンドで終わったのだが、なんだかモヤモヤが残った。
騙すならもっと悪い顔全開でやってほしい。なんか良い人だと思っていたのに、実は良い人のふりをしていただけだったというのが一番心にこたえる。
この作品のイマイチな点は、悪者を悪者にしきれていない点だと思う。「騙していたけどあなたの幸せは本当に願っていたのよ」なんて納得できないよーーーー!!