【読書感想文：ネタバレあり】そばかすの少年　作：ポーター

色々な良い作品のエッセンスを濃縮して読めた。「エンジェル」が男前でかっこいい！！

個人評価：５／５

　この物語は日本ではあまり有名ではないと思われるが、アメリカでは大ベストセラーになった小説らしい。私はたまたま読んでみたのだが、これは日本でもベストセラーになってもおかしくないのに！と思った。

　なぜなら基本のストーリーはそばかすの少年（呼び名は「そばかす」）の森での仕事ぶりを綴っているのだが、「赤毛のアン」、「小公子」などの名作の良いところと雰囲気が重なっており、とても感情が揺さぶられる作品だったからである。

　「そばかす」は片手がない孤児で、孤児院で育ったため愛情に飢えている。しかし良い上司に出会って仕事をもらい懸命に働くうちに自分が必要とされており、かわいがられる喜びを知る。また森の仕事をするうちに森の動物や植物と仲良くなる。そのような点が「赤毛のアン」に似ていると感じた。

　また、「そばかす」は孤児院育ちだが性格が誠実で紳士的で誰からも好かれており、その点が「小公子」に似ていて、また自然を愛していてピュアな点が、「ハイジ」や「秘密の花園」の世界観と共通している。

　それらにあまりに似ている作品であるため、「赤毛のアン」などを読んでからこの作品を読んだ人は、二番煎じだと感じる人もいるかもしれない。しかし私は色々な良い作品のエッセンスを濃縮して読めた気がしてとても楽しめたし、感動した。

　それにしても「そばかす」の憧れの人「エンジェル（本名不明）」が外見は可憐でかわいらしいのに、内面はとてつもなく男前でかっこいい。

　巧みな銃さばきや乗馬術、勇気や度胸もあり、大人を納得させる話術や、女を武器に敵を虜にしてうまく操る術も持つ。「そばかす」がピンチの時は、本当はヒロインなのだが、どうみてもヒーローの「エンジェル」が敵をやっつけてくれる。

　この作品中、「そばかす」は2回も死にかけるのだが、「エンジェル」がなんとかしてくれた。これから困難があっても「ヒロインのそばかす」と「ヒーローのエンジェル」で幸せに暮らしてほしいものである。