【読書感想文:ネタバレあり】モモ 作:ミヒャエル・エンデ
一見すると無駄のようなことでも、心の健康にはとても大切であることが学べた。
個人評価:4.5/5
児童文学の名作と言われている作品だったので読んでみたが、これは児童文学というより現在の大人が読むべき本だと思った。
出だしはのんびりした雰囲気だったが、途中、時間泥棒が現れてからが興味深かった。時間泥棒は人間から時間を奪い、効率的に無駄のない行動をしないと時間が足りなくて生活が成り立たないようにしてしまう。以前は生活の中で友人とたわいもないおしゃべりをしたり、キレイな景色を眺めたりしていた人間たちが、どんどん効率的な行動しかしなくなり、心に余裕がなくギスギスした日々を送るようになってしまうのだ。
この作品では最終的には時間泥棒から時間を返してもらって、人々はまたゆとりのある生活を送れるようになるのだが、現代社会では日々時間に追われてしまい心を病む人も多い。
世間では効率的に過ごすことが良いとされている風潮もあるが、一見すると無駄のようなことでも、心の健康にはとても大切であることがこの物語から学ぶことができる。