【読書感想文:ネタバレあり】三軒茶屋星座館~春のカリスト~  作:柴崎 竜人

月子の本当の父親がこの物語の最後にいきなり現れ、大きな衝撃をうけた。
個人評価:4.5/5


 三軒茶屋星座館シリーズ3冊目の今作は、悲しい別れの話だった。星座館のひとつ下のフロアにあるオカマバーのママのリリーちゃんが薬物依存の彼に刺され、亡くなってしまう。星座館の仲間たちはリリーちゃんを家族同然に大切に思っていたので、ショックでそれぞれが混乱する。そのショックから立ち直っていくまでの物語だった。

 リリーちゃんとの別れにそれぞれ後悔する日々を送る中、春の星座に関する神話を自分たちに置き換えながら、立ち直っていくのだ。また主人公和真の弟創馬の連れ子の月子の本当の父親を捜すストーリーや和真の恋愛話も並行して進んでいく。

 全体的にもの悲しい神話が多く、特におおぐま座こぐま座のエピソードにはしんみりさせられたが、最後は和真の不器用な恋愛も上手くいき、一応ハッピーエンドで終わると思った。しかし最後まで真実が分からず諦めかけていた月子の本当の父親がこの物語の最後にいきなり現れ、その人物の名にほんわかした気持ちが一気に消えてしまった。

 これは絶対の絶対に最終巻である4冊目を読まなければならないのであります。

 

 

ankolemon.hatenadiary.com

ankolemon.hatenadiary.com

 

f:id:ankolemon:20191207213550j:plain

2019.12.7読了