【読書感想文:ネタバレあり】三軒茶屋星座館~秋のアンドロメダ~  作:柴崎 竜人

壮大な宇宙を考えると人間はちっぽけな存在だけど、一生懸命生きることが私たち人間の一番大事なことだと思った。
個人評価:4/5


 三軒茶屋星座館シリーズいよいよ最終巻の今作は、ハードボイルド感満載のハラハラドキドキの連続の話だった。

 月子の本当の父親、突然現れる月子の祖父、月子の母の過去など月子についての謎が解き明かされ、さらに裏社会の住人が切り札である「月子」をめぐり、争いを巻き起こす。そして色々乗り越えた末、和真が月子の父親として生きていく覚悟をし、二人が血はつながらないが“本当の”家族になるまでの物語だった。

 後半の怒涛の展開は読んでいられないくらいハラハラするが、その合間に入る星座の話が読者にとってドキドキ感の休憩的な役割になり、緊張に弱い私はかなり助けられた。

 星座にかかわる神話ではないが、さそり座の中のアンタレスという年老いた星がもうすぐ爆発してなくなるという話は印象的だった。アンタレスは地球から500光年くらい離れているため、地球から現在はまだ観測できているが、それは500年前のアンタレスの姿なのだ。実はもうアンタレスは爆発して存在していないだろうと言われている。

 宇宙は私が想像できないくらい壮大で神秘的である。そんな宇宙を考えると、人間なんて本当にちっぽけな存在だし、人の人生なんてほんの一瞬だけど、月子を守るために必死になる和真や仲間たちのように、一生懸命生きることが私たち人間の一番大事なことだと思った。

 

 

ankolemon.hatenadiary.com 

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2019.12.9読了