【読書感想文:ネタバレあり】東海道中膝栗毛 作:十返舎一九(著:来栖良夫)
日本史で学ばされる作品だから、真面目な内容かと思いきや、普通にちょっと笑える面白いお話であった。
個人評価:4/5
日本史の授業か何かで名前と作者を覚えた記憶があるものの、どんな話か知らなかったので読んでみたら、やじさんこと弥次郎兵衛(やじろべえ)と、きたさんこと喜多八(きたはち)の友人同士二人が東京から伊勢神宮、京都に行く珍道中のクスクス笑える話だった。
江戸時代に書かれた話のため語り口は古典的だが良い具合に現代語訳されている。しかし私的には同時代やもっと古い作品でも英米文学の方が読みやすい。日本の作品だと当時の雰囲気を重んじて言葉遣いを古めかしく訳してしまうのは、翻訳者の性分なのだろうか。
内容は、旅の道中にやじさんもきたさんも賭け事をして大損をしたり、スリや詐欺師にお金を盗られたり、穴にはまって抜けられなくなったりと結構な災難に見舞われる。しかしなぜかハラハラしない。二人ののほほんとした人柄のせいだろうか。この物語は発表当時、二人のキャラクターと内容がコメディとして大人気で、続編が次々に出ていたらしい。
日本史で学ばされる作品だから、真面目な内容かと思いきや、現代語に訳した物を読んでみれば、普通にちょっと笑える面白いお話であった。これを機に名前と作者を日本史で覚えた日本の古典シリーズを読み続けてみたいと思った。