【読書感想文:ネタバレあり】ティファニーで朝食を 作:トルーマン・カポーティ
後になってからそれが大事なものだったと気づく・・・私もそんな日々な気がする。
個人評価:4/5
この小説が原作となった映画は、テーマ曲の「ムーンリバー」とオードリー・ヘプバーンがヒロインであることは知っていたけど、観たことがなかったので原作を読んでみた。
ヒロインのホリーはすごく天真爛漫で自由奔放な印象の女性で、なんとなくオードリーっぽくないと思った。ストーリーは勝手にラブストーリーを想像していたけど、ホリーと主人公「僕」の日常やホリーの生き様を描いた内容だった。途中ホリーが逮捕されるなどハラハラするシーンもあったが、「僕」の視点から淡々とホリーについて描かれているので落ち着いて読める。
最後にホリーが国外逃亡することになり、飼っていた猫を捨てるシーンで、外に猫を放してしまってから、その猫が自分にとってとても大事な存在だったことにやっと気づいた場面は考えさせられた。色々なことが面倒くさくなり、それから逃げ続けてきて、後になってから自分にとってそれが大事なものだったと気づく・・・う~ん、私もそんな日々な気がする。
でもなんだかんだで、エンディングで猫が素敵な家に拾われたのがこのストーリーの中で一番良かったかも。