【読書感想文:ネタバレあり】店長がバカすぎて 作:早見 和真
「以前、違う作品で読んだことがあるなあ」というのが正直な私の感想だった。
個人評価:4/5
この作品はいわゆるお仕事小説で、書店で働く女性がピントのずれている店長にイライラさせられながらも、日々の仕事に奮闘する物語である。
客側からはよく分からない書店で働く人々の仕事内容や出版業界の現状についてなど詳しく描かれているが、「以前、違う作品で読んだことがあるなあ」というのが正直な私の感想だった。
小説家は出版業界の人だから書店員や編集者について詳しく書きやすいのだろう。今まで読んできた小説の中で同じような内容の作品がいくつかあったように思われる。
お仕事小説は自分の知らない業界の裏事情を知ることができて読んでいてとても面白い。出版業界、音楽業界、アニメ業界、料理業界など、結構今まで色々読んできた。
その際いつも悩ましく思うのは、作品の中で出来上がるものがどんなものなのか、いまいちイメージが沸かないということだ。
本の中に挿絵でもあればイメージできるが、私の想像力では作品中でどんな「本」や「音楽」や「アニメ」が出来上がったのか想像しきれない。
唯一想像しやすいのは料理業界の作品だ。日頃よく使う食材やなじみ深いメニューならば「味」をイメージしやすいし、お店の形態も多いので、バラエティーに豊かな内容で全く飽きないのだ。
でも知らない業界の作品はとても良い社会勉強になる。今度お仕事小説を読むならまったく知らない業界を扱った作品を読んでみようと思う。